クラビットを性病の予防目的で投与するのはアリ?

クラビットを性病予防として投与していいの?

 

クラビットはクラミジアや淋菌、梅毒などの細菌性の性病に効果がある抗菌剤です。そのため、「事前にクラビットを飲んでおけば、性病の予防ができる」として、行為の前にクラビットを飲んでおくという人もいます。ここでは、クラビットに性病の予防効果があるのかどうかを解説します。

 

まず「クラビットの事前服用で予防できるかどうか」という点についてですが、「予防出来る可能性がある」と言うことはできます。

 

ただし、予防の場合もクラビットは1週間程度服用する必要があります。例えばクラミジアの場合、増殖サイクルは72時間(3日程度)となっており、予防をするためには増殖サイクル2回分の間はクラビットの血中濃度を保つ必要があります。クラビットの有効な血中濃度は1回あたりの服用で1日程度しかもたないので、7回の服用が必要となります。 >>持続時間はどのくらい?血中濃度や半減期について知りたい

 

また、これで予防できる可能性があるのはクラミジアや梅毒だけです。淋菌はクラビットの耐性を持っている場合が多く、ヘルペスなどのウィルス性の性病はクラビットは効果がないからです。

 

しかも、特に何か病気にかかっているわけでもないのに抗菌剤を飲むのは、身体的負担も大きすぎます。体には善玉菌(常在菌)がたくさん存在しており、悪玉菌の影響を減らしたりして健康を保つ役割を果たしています。そこでクラビットを服用してしまうと、善玉菌まで倒されてしまい、体内菌のバランスが崩れて思わぬ病気を起こすことがあるのです。

 

確かにクラビットを事前~事後1週間程度服用することで、クラミジアなどの性病を予防できる可能性はあります。しかし、行為をしたからといって感染するとは限りません。むしろ、感染していないのに、むやみにクラビットを服用してしまっているケースの方が多いでしょう。そうなると、そのたびに無意味に体内の善玉菌を減らしてしまうことになるのです。

 

また、1日分のクラビットだけを事前に服用するだけで済ませると、体内に入り込んだクラミジアを倒しきることができず、耐性を持ったクラジミアが生き残る可能性があります。体内の病原菌を根絶する前に服用をやめるのが耐性菌ができるおもな原因なので、中途半端に予防的な服用をするのは耐性菌のリスクも高めてしまうのです。

 

もちろん、行為のあとにクラミジアなどにかかっていることが分かった場合は、クラビットを服用するのは全く問題ありません。普段はコンドームなどを付けて性病を予防しつつ、それでも感染が疑われる場合は検査などを経てからクラビットを一定期間しっかり服用するようにしましょう。

 

なお、予防的に抗生物質を服用するケースもないわけではありません。例えばアメリカでは、性暴力を受けてしまった場合、性病への感染を防ぐためにロセフィン250mg筋注+フラジール2g内服+ジスロマック1g内服を行うとされています。

 

参考:Sexual Assault and STDs:https://www.cdc.gov/std/treatment/2010/sexual-assault.htm