クラビットの妊娠中・授乳中の影響について

クラビットの妊娠中のリスクとは?

 

クラビットに限らず、妊娠中・授乳中は医薬品には気を付けている人が多いでしょう。確かに、医薬品によっては妊娠中・授乳中の服用が禁忌となっていることがあるので、クラビットを服用前にリスクについては調べておきましょう。

 

まず見ておきたいのはクラビットの添付文書です。妊娠・授乳中関連の記述は以下の通りです。

 

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

 

ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び小児等に対しては、炭疽等の重篤な疾患に限り、治療上の有益性を考慮して投与すること。

 

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。

クラビット添付文書:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00056893.pdf

 

添付文書を見る限りでは、よほど重症でない限りは、妊娠中・授乳中のクラビットの服用は「禁忌」、つまり禁止となっていることがわかります。

 

ただし、医師の間でも「ニューキノロン系抗菌剤はそれほど心配ない」という意見もあり、どうしても必要と言う場合は処方されることもあるようです。

 

別の観点から評価したい場合は、「FDA薬剤胎児危険度分類基準」が役立ちます。これはアメリカのFDA(日本で言う厚生労働省)が定めている基準で、それぞれの医薬品が胎児にどんな影響を与えるか示すものになっています。

 

FDA薬剤胎児危険度分類基準

カテゴリー 危険性 妊娠中・授乳中の服用
A 危険性ナシ OK
B 多分危険性ナシ OK
C 危険性があるかも 場合によってはOK
D 危険性アリ やむを得ない場合以外NG
X 禁忌 絶対NG

 

 

FDA薬剤胎児危険度分類基準には「A、B、C、D、X」の5つのカテゴリーがあり、A~Bは基本的には危険性なしとされています。C~Dについては妊娠中・授乳中の服用は要注意ですが、完全NGではありません。そして、Xについては「何があっても禁忌」ということになっています。

 

そして肝心のクラビットですが、この基準では「C」に分類されています。カテゴリCは、「動物試験では危険性が認められており、ヒトの実験はしていない」ということになります。つまり、「ヒトへの危険性はないかもしれないし、あるかもしれない」というかなりあいまいな状態となっているのです。なので、妊娠中・授乳中にクラビットを服用することは推奨されませんが、どうしても必要な場合は使用可ということになります。

 

いずれにしても、「クラビットを飲むことで得られる効果」と「リスク」のバランスが重要ということになるので、素人判断はやめたほうがよいでしょう。もし妊娠中なら、クラビットを自己判断で飲んだりせず、医師のアドバイスを受けたほうがよいでしょう。

 

なお、睡眠薬の「ハルシオン」はカテゴリー「X」、向精神薬の「デパス」はカテゴリー「D」となっており、妊娠中・授乳中に服用すると危ない医薬品は意外と多いです。クラビットだけでなく、日ごろ向精神薬などを服用している場合は、妊娠したときにはしっかり注意しておきましょう。

 

妊活中・妊娠初期のクラビットの影響とは

 

妊活中にクラビットの影響を知り、不安になっている人もいるかもしれません。クラビット服用中の周期で妊娠したときは、どんな影響があるのでしょうか?

 

まず第一に、クラビットが胎児に与える影響について知っておきましょう。上で「FDA薬剤胎児危険度分類基準」について解説しましたが、ここで特に注目したいのが胎児の「催奇形性」、つまり先天異常などが出てしまう問題です。先天異常については妊娠2~12週がもっとも影響が強い部分です。逆に言えば、生理があった日から28日間に関しては、クラビットの影響は気にしなくても良いということになります。

 

つまり、まず生理があった場合は、それ以前に飲んだクラビットの影響はありません。妊活中であれば、それ以降クラビットの服用を控えればOKです。また妊娠が判明したとしても、クラビットを飲んでいたのが生理があった日から28日までであれば問題ありません。

 

また、もしクラビットを服用していたが、つわりなどで妊娠に気づいたという場合も、あまり気にしすぎないほうがよいでしょう。確かに影響のある期間にクラビットを飲んでいた可能性はありますが、それだけで諦めてしまうようなものではありません。確かにFDAの基準では「C」となっていますが、あくまで影響が出るのは低確率ですし、気に病みすぎてストレスを抱えるほうが赤ちゃんへの影響は出てしまいます。どうしても不安であれば、医師のアドバイスを受けてみましょう。

 

授乳中のクラビットは?

 

クラビットに限らず、授乳中に医薬品を服用すると、母乳を通して赤ちゃんに医薬品の成分が渡ることになります。もちろんその量は非常に微量ですが、赤ちゃんも体重が軽いので薬の影響を受けやすく、総合的に考えると無視するというわけにはいきません。

 

とはいえ、妊娠中のクラビット服用ほどは問題にはならないでしょう。なぜかというと、クラビットは長期服用する医薬品ではないからです。例えば膀胱炎になってクラビットが必要になったとしても、服用期間は4~5日程度です。その間、1~2回程度授乳してしまった程度では赤ちゃんへの影響はほとんどありません。あとは、クラビット服用中は母乳を控えるようにすればいいだけです。

 

例えば向精神薬などであれば、数か月単位の長期使用になる場合もあるので、授乳中の服用をどうするかが問題になります。ですが、クラビットの場合は服用期間中だけなんとか対策すればいいので、それほど気にしすぎなくてもいいのです。

 

ただし、クラビットの服用が完了したとしても、体内にクラビットの成分が1~2日程度残るので、授乳を開始するのは1~2日経ってからにしたほうがよいでしょう。

 

いずれにしても、クラビットの服用は通常数日程度の短期間なので、その間母乳をあげるのを控えるようにすれば大きな問題にはならないでしょう。もし赤ちゃんが母乳以外飲まないというのであればクラビットは控えたほうがいいですが、そうでないなら服用中だけミルク育児に切り替えればよいのです。

 

初乳はしっかりあげるようにしよう

なお、産後2~3日の授乳は「初乳」と呼ばれ、「免疫グロブリンA」という免疫物質が含まれています。これはママの免疫力を赤ちゃんに与えるために重要な時期となるので、この時期だけはクラビットはできるだけ控えて、母乳を上げるようにしましょう。

 

初乳を与えれば最低限の免疫物質は赤ちゃんにわたることになるので、その後はクラビットを服用する際はミルク育児に切り替えても大きな問題はないでしょう。